さて、その模様を御伝えしたい。
10時開始。まずは自己紹介をしてお互いの名前など確認しあった後、Mirror man氏から柿渋塗とは、どんなものかの紹介が行われた。今回の柿渋塗対象の材は、主として新規に入れた新材のスギ、ヒノキ、クリに色をつける、という目的で行われた。そのため木の特性にあった調合を必要としたらしい。
スギ・ヒノキ用:柿渋+松煙+ベンガラ
クリ : 柿渋+松煙+ベンガラ(多め)
柿渋の濃度、松煙、ベンガラの配合は微妙である。O設計室の紅一点、柿渋塗りには一日の長のあるK氏が調合を担当した。
手順として
マスキングテープで塗る材の周囲を保護
刷毛で数度、調合された塗料を塗る
色を見ながら場合によっては数度塗りを繰り返す
である。大人8名で取りかかったので思ったよりもてきぱきと仕事は進み、大方は午前中に片がついた。お弁当を持ち寄ってきたので昼はガレージで昼食会を催し色々と話が弾んだ。
やってみて感じたのは同じ材であっても、塗料を塗ってみた感じが全く違うことである。数度塗りを重ねて色がよく沈着する場合、まったく染みていかない場合、杉であれば赤身の杉と白身の杉で色の乗り方が違う。ただこれはヒトが反射光をみているので当たり前。節のあるなしではやはり柿渋のしみ込み具合が異なる。非常に面白い。部分的にヒノキを使っているが、ヒノキは油分が非常に多いのでなかなか難しいと聞かされ始めたが、全く柿渋をはじいてしまって全く寄せ付けない感じである。古材の色にこだわらなければヒノキはヒノキらしく全くの無垢材として用いた方がよい。
ひとつ残念なことは全部を古色塗りにしてしまうと、我々、次に誰が住むかは分からないが住み次いで行く間に変化して色づいていく部分を残せないことであろう。年輪のように色も次第に染み付いていくのも楽しみたいのではある。
なかなか終わったなあ、と思ってその日は安心した気分だったが、よくよくみてみると相当に残っている部分があり、しかも左官仕上げの前にはこうした塗装をすべて終わらせておく必要があり、その後夫婦で時間をみつけて塗りの作業を継続している。柿渋塗り体験をされたい方は是非、ご連絡いただきたい。大歓迎である。
後日、やったのは下の写真の格子、二階をあがってすぐのキッチンとの仕切り壁となる予定。個人的には塗りの完成度には多いに不満である。
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